想定ケース

業務棚卸しから着手した自動化検討(想定ケース)

製造業・従業員15名

業務効率化 / 現状把握

この記事は想定ケースです。実在する企業の事例ではありません。公的な事例集に記録されている実在の事例は中小企業のDX事例は自社に当てはまるかで扱っています。

想定した会社

従業員18名の事務系の会社。経理2名、総務2名、営業事務3名。専任のIT担当はいません。

着手前の状態

「請求書の作成に時間がかかっているので自動化したい」という相談から始まった、という想定です。相談の時点で候補に挙がっていたのは請求書だけでした。ほかにどんな業務があるのかは、誰も一覧を持っていません。

この順序で進めた

候補を1つに絞る前に、業務を書き出した

請求書からすぐ着手せず、経理2名ぶんの業務を1行ずつ書き出しました。行数は22行。所要時間は5分単位の概算です。この段階でツールは触っていません。

月間時間で並べ替えた

1回あたりの時間ではなく、頻度を掛けた月間時間で並べました。請求書は月1回120分で240分。上位に来たのは、毎日15分の入金消込で、月あたり330分でした。相談の入口だった請求書は2番目です。

例外の割合を数えた

上位2件について、直近3か月で手順どおりにいかなかった件数を数えました。入金消込は振込名義が一致しない件が全体の1割程度。請求書は取引先ごとの様式差が4割近くありました。

対象を入金消込に決め、請求書は見送った

例外が4割ある業務に手を入れても、確認の手作業が残ります。請求書は「様式を揃える」ほうが先だと判断し、この回の対象から外しました。

数値の扱い

上に挙げた行数・分数・割合は、説明のために設定した前提です。実測値ではありません。**自社で同じ結論になるとは限りません。** 数字そのものではなく、月間時間で並べ替えたことと、例外を数えてから決めたことのほうを持ち帰ってください。

自社に当てはめるとどうなるか

自社に当てはめる場合、書き出すのは1部署ぶんで足ります。全社を対象にすると途中で止まります。並べ替えの軸を「1回あたりの時間」にすると、相談の入口になった業務がそのまま1位になりやすく、順番を確かめる意味が薄れます。

この進め方が当てはまらない場合

業務が1人に集中していて、その人しか手順を知らない場合。棚卸しより先に、手順を書き出せる状態を作る必要があります。期日が決まっていて、今月中に何かを動かさなければならない場合。この順序は判断に2〜3週間かかります。

よくあるご質問

相談の入口だった業務を外すと、社内で反発されませんか

外す理由を数字で示せるかどうかで変わります。「例外が4割ある」と数えた結果を見せると、やらない判断も説明できます。数えずに「向いていない」とだけ言うと、印象の話になって長引きます。

棚卸しに時間をかけている間に、現場が離れませんか

1部署10〜20行で止めれば、2週間ほどで終わります。全社を対象にすると数か月かかり、そこで離れます。範囲を先に区切ってください。

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