調査

二重入力の解消事例|同じ数字を3〜4回入力していた従業員26名の会社がやったこと

二重入力(重複入力)の本当の損失は作業時間ではありません。誤入力の原因を探す過程で、誰が間違えたかを詮索することになり、職場の関係が悪くなります。公的事例で公開されている従業員26名の会社が何をどの順で決めたかと、公式統計で計算した損失額の目安、受け皿の公式料金までを出典付きで整理しました。

二重入力の解消事例|同じ数字を3〜4回入力していた従業員26名の会社がやったこと

同じ内容を複数のソフトへ入れ直している。この状態を「非効率だが、慣れているので何とかなっている」と扱っている会社は少なくありません。しかし、公的機関が公表している事例を読むと、着手の理由として書かれていたのは作業時間ではありませんでした。誤入力が起きたときに誰が間違えたかを探すことになり、それが職場の人間関係を悪くしていた、という記述です。この記事は、従業員10〜20名で専任のIT担当がいない事務系の会社に向けて、実在企業1社が何をどの順で決めたかを整理したものです。企業名・従業員数・出典URLを明記しています。

二重入力とは、同じ内容を複数のソフトや帳票へ人が入れ直している状態を指します。「重複入力」や「転記」と呼ばれるものも、指しているのは同じ状態です。入力する場所が2か所以上あり、その間を人の手で写しているなら、会社の規模や業種に関係なく起きています。1人で担当している範囲の中でも、扱う画面が分かれていれば発生します。

結論

従業員26名の会社が二重入力の解消に着手した理由は、作業時間ではなく誤入力の原因を探す過程で人間関係が悪化していたことでした。二重入力を時間の問題として見ていると、この負担は計算に入りません。

この事例に削減時間も費用も期間も記載されていません。取り出せるのは順序と体制です。全体像は経営者が決め、使い勝手は入力回数が最も多い人が見る。この分担は規模が小さくても再現できます。

扱う事例と、自社との距離

項目内容
企業名株式会社ソロン(佐賀県佐賀市)
従業員数26人
事業内容不動産の売買仲介、買取再販、コンサルティング
出典J-Net21「中小企業とDX」(中小機構)
出典URL料金ページ
掲載日/確認日2023年5月29日掲載/2026年8月27日確認

出典: J-Net21「『現状維持は後退である』、社名のごとく進化を継続」(中小機構/2023年5月29日掲載/2026年8月27日確認)業種は不動産で、想定読者と一致しません。ただし変えた対象が「営業管理と顧客管理の二重入力」であり、これは事務系の会社にも同じ形で存在します。そのため業種の置き換えなしで読めると判断しました。従業員26名は、想定する10〜20名よりやや多い規模です。この差が影響する点は後半で扱います。

業種・規模がもっと近い事例で着手の順序を知りたい場合はツールより先にルール、得意な人より先に苦手な人(11名と40名の会社)を、あわせて参照してください。

着手前に何が起きていたか

二重入力はなぜ起きるのか

原因具体例ソロンで該当したか
システムが分かれていて、出口ごとに人が入力している営業管理と顧客管理が別のソフト該当する
紙・メール・FAXで情報が届く届いた紙を見て打ち直す出典に記載なし
担当ごとに自己流の管理表がある各人のExcel出典に記載なし

この3つは、直し方が同じではありません。1つ目は受け皿を1つにまとめれば消えますが、2つ目と3つ目は受け皿を用意しただけでは残ります。紙やFAXで届く情報は、送ってくる相手が送り方を変えない限り、最初の1回の入力が必要です。個人のExcelも、そこを見に行く運用が続いていれば別の場所で作り直されます。原因のどれに当たるかを先に見分けないと、道具を入れたのに入力回数が減らない、という結果になります。

出典には、着手前の状態として次のことが書かれています。

起きていたこと出典の記述
複数ソフトの併用営業管理・顧客管理などで異なるソフトウエア・アプリを併用していた
重複入力同じデータを3〜4回入力していた
誤入力入力ミスが発生していた
原因特定の負荷ミスの原因を特定するのに時間がかかっていた
人間関係の悪化誤入力者の特定が職場内の人間関係の悪化を招いていた
成長の阻害業務効率の低下が成長の阻害要因になっていた

この6つは、上から順に因果でつながっています。併用しているから二重入力になり、二重入力があるから誤りが生まれ、正しい値がどこにあるか分からないから原因を探すことになり、探す作業が人を特定する作業になる。

二重入力を「作業時間の無駄」として扱うと、5番目が見えません。しかし現場で実際に負担になるのはここです。誰かを疑う場面が定期的に発生する状態は、時間の損失より先に人が離れる理由になります。

実際にやったこと

出典に記載されている手順は次のとおりです。順序も出典の記述に沿っています。

順序やったこと
1北海道や栃木県など、他の加盟店の事例を視察して先行事例から学んだ
2kintone(サイボウズ)を採用した
3社内にDX専任社員を指名した
4外部のコンサルティング会社の支援を受けた
5自社業務に合わせてアプリをカスタマイズした
6運用を開始し、案件の進捗・顧客・物件情報をリアルタイムで一覧化した

設計の分担が明記されている点が、この事例の価値です。システムの全体像は経営トップが構築し、現場の使い勝手は部門本部長が監修しています。決める人と、日々使う人の代表を分けた形です。

運用面では、パソコンに縦横2つのディスプレイを足した3画面環境を構築した、という記述もあります。一元化しても画面の切り替えが多ければ元に戻る、という現実的な対応です。同じ一元化でも、失敗した側の記録は会計システムの導入に失敗した事例で読めます。

一元化の前に、呼び方をそろえる

顧客名や物件名の書き方が画面ごとに違っていると、1か所へ集めた時点で同じ相手が2件に分かれます。「株式会社」と「(株)」、姓名の間の空白、日付の和暦と西暦が、画面ごとに別の流儀で入っていることは珍しくありません。どの画面でも共通に使う顧客名・物件名・日付は、まとめてマスタと呼ばれるもので、集める前に表記とコードの書き方を1つに決め、既存データのどれを正とするかも先に決めておきます。なお、この工程はソロンの事例には記載がなく、一般的な前提として書いています。

そろえないまま移すと、移行が終わったあとに名寄せの作業が待っています。同じ相手が2件、同じ物件が3件という状態を人が突き合わせる作業で、二重入力は「二重の名前」へ形を変えて残ります。表記とコードをそろえる工程は地味ですが、ここを飛ばすと一元化の効果は出ません。ここも出典に書かれていない一般的な段取りのため、事例の記述とは分けて読んでください。

二重入力は、いくらで直せるのか

この事例に数値は無い

先に結論を書きます。この事例に、削減時間や生産性の数値は記載されていません。

知りたいこと出典の記載
削減できた時間記載なし
導入にかかった費用記載なし
導入にかかった期間記載なし
結果として起きたこと単一システムで業務が完結し、重複入力が解消。データをリアルタイムで閲覧できるようになった
対外的な評価DXマーク認証を佐賀県内第1号で取得。経済産業省「DXセレクション2023」の優良事例に選定

したがって、この事例を根拠に「◯%削減できる」と自社の計画へ書くことはできません。取り出せるのは順序と体制です。数値が欲しい場合は、自社で着手前の状態を測っておく必要があります。

何を測るかは業務改善のKPIの決め方で扱っています。この事例に合わせるなら、測る対象は作業時間ではなく「同じ内容を入力した回数」と「誤りが見つかるまでの日数」です。

直すのにいくらかかるか

手段の種類代表例公式に出ている料金条件出典URL
業務アプリ構築クラウドkintoneライト1,000円/スタンダード1,800円(1ユーザー・月・税抜)最低10ユーザー、初期費用無料、30日間無料お試し料金ページ
現場入力アプリPlatio Lite27,000円(月・税別・保守込み)標準ユーザー10、アプリ200個、初期費用0円料金ページ
連携・自動化Power Automate Premium2,248円(1ユーザー・月・税抜・年払い)無料試用版30日間料金ページ

いずれも2026年9月5日に各社の公式料金ページで確認した表示価格です。従業員10名がkintoneのスタンダードコースを使う場合、1,800円×10ユーザーで月18,000円、年216,000円(税抜)になります。これは公式の単価に人数を掛けただけの算術で、ソロンが実際に支払った額ではありません。事例には費用の記載がないため、この会社の実費は不明です。受け皿の料金に加えて、設定と、いま使っているソフトからのデータ移行に時間がかかります。

どの手段を選ぶかは、入力が起きている場所で決まる

入力が起きている場所手段の種類代表例先に確かめること
社内の複数のソフトへ同じ項目を入れている受け皿を1つにする(業務アプリ構築クラウド。ERPと呼ばれるものも同じ位置)kintone既に使っているソフトの書き出しと取り込みで足りないか
ソフトからソフトへ決まった転記を毎日繰り返しているソフト間をつなぐ(データ連携・自動化。iPaaS、RPAと呼ばれる)Power Automate転記の経路と項目が固定されているか
現場で紙に書き、事務所で打ち直している入力の場所を現場へ移す(現場入力アプリ、ワークフロー)Platio現場が端末を使える環境か
取引先から届く紙やPDFを打ち込んでいる読み取りで1回目の入力を減らす(AI OCR)公式料金を確認できず書式が決まっていて量が毎月まとまっているか

この4つは排他ではなく、実際には2つ以上が同時に当てはまることが多いはずです。ただし1つ目、つまりどこを正本にするかを決めないまま先へ進むと、つないだ先で同じ項目が別の値を持ち、二重入力が形を変えて残ります。ERP、iPaaS、RPA、AI-OCR、ワークフローという呼び名は、いずれもこの4つの位置のどれかを指しているものです。

損失額は、公的統計の値で自分で計算する

この主題では、失っている金額を試算した記事が多く見つかります。時給に作業時間と日数を掛けて年間の損失を出す形ですが、時給をいくらに置くか、1日何分を二重入力とみなすかは、書いた側が決めた前提です。前提が変われば金額は何倍にも動きます。他の記事に出ている金額をそのまま引き写すと、根拠のない数字が自社の計画に入ってしまうため、この記事では使いません。

使う値公式の数値出典確認日
現金給与総額(就業形態計・月間)355,919円厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果速報」事業所規模5人以上2026年9月8日
総実労働時間(就業形態計・月間)135.0時間(所定内125.2時間・所定外9.8時間)同上(毎月勤労統計調査)2026年9月8日
パートタイム労働者の1時間当たり給与額1,394円同上(毎月勤労統計調査)2026年9月8日

現金給与総額355,919円を総実労働時間135.0時間で割ると、1時間あたり約2,636円になります。この割り算はこの記事で行った算術であって、厚生労働省が公表している数値ではありません。1人が1日1時間を二重入力に使っているなら、月20日で年240時間、2,636円を掛けて年間約63万円です。自社の実際の時間単価に置き換えれば、金額はこれより小さくも大きくもなります。下限として見るなら、その業務を担当している人の時給で計算してください。

1日何分、何人という前提は、自社で測った値へ置き換えてください。ここで置いた1日1時間も、計算の形を示すために仮に決めた数字にすぎません。現金給与総額には会社が負担する社会保険料が含まれないため、実際の人件費はこの計算より高くなります。数える手順は、この記事の「着手前に1つだけやること」で扱いました。

外から金額の幅を掴みたい場合は、公的な支援制度の設計が参考になります。中小機構の「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」通常枠は、補助額が1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下、補助率は1/2以内です。補助の対象はソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)で、データ連携ツールや導入設定もオプションに含まれます(中小企業デジタル化・AI導入支援事業/中小機構/2026年9月5日確認)。国が1プロセス単位のIT投資として想定している幅が、ここに出ています。

自社に当てはめるとどうなるか

従業員10〜20名の事務系の会社に置き換えると、次の形になります。

事例での内容自社での置き換え先に決めること
他の加盟店を視察した同業・同規模の会社に使っているものを聞く誰に聞くか。展示会や商工会議所も候補
kintoneを採用した受け皿を1つ決める既に使っているもので足りないかを先に確認
DX専任社員を指名した専任は置けないため、担当を兼務で1人決めるその人の既存業務を何時間分減らすか
コンサルティング会社の支援設定作業だけ外部に出す判断は社内に残す。丸投げしない
業務に合わせてカスタマイズ最初は既定のまま使い、不足を記録する変更は1か月使ってから
全体像は経営トップが設計同じ。ここは委任しない何を1か所に集めるかを経営者が決める
使い勝手は部門本部長が監修最も入力回数が多い人を指名する役職ではなく入力量で選ぶ

26名と10〜20名の差が出るのは、3番目の専任者です。26名なら1人を専任に近い形で置けますが、15名では現実的に兼務です。兼務にする場合、その人の既存業務をどれだけ減らすかを先に決めないと、通常業務が優先されて止まります。

推進体制の置き方はAI推進体制の作り方情シス不在の中小企業がまず整えるもので扱っています。

一元化しても残りがちな3つの落とし穴

落とし穴どう残るか先に決めること
人が手で写す工程が1つだけ残る残した1回に全部の間違いが集まり、原因を探す作業も戻ってくるどの経路を最後まで人の手を通さない形にするか
どの時点の値が出ているか決めていない古い値を見たまま判断し、後から数字が合わなくなる画面に「いつ時点の値か」を出すかどうか
元のExcelを閉じていない新旧2つが並行して更新され、正本が2つになる旧ファイルをいつ閉じるか、誰が閉じるか

3つとも一元化そのものの失敗ではなく、一元化の残りです。着手の前に決めておけば起きない種類のもので、動き始めてから気づくと直す手間が何倍にもなります。2つ目は情報の鮮度の問題で、二重入力を時間とミスだけで見ていると、そもそも計算に入りません。手で写す工程と鮮度は、道具を選ぶ前に決める話として扱ってください。

着手前に1つだけやること

二重入力が起きているかを確かめる5つの問い

問い「はい」のときに疑うもの
同じ顧客名を、月に何度も違う画面へ打っているか受け皿が分かれている
数字が合わないとき、どの画面が正しいか即答できないか正本が決まっていない
誰かの手元のExcelを見ないと分からない項目があるか管理表が個人に属している
届いた紙やPDFを見ながら打ち込む作業が毎日あるか入力の起点が社外にある
入力の間違いが見つかるのは、いつも後工程か点検の位置が遅い

「はい」が1つでもあれば、数える作業に進みます。数える前に、1件の案件についてデータの流れを1枚に書き出してください。どこで最初に発生し、どの画面へ写され、最後にどこで使われるのかを、紙1枚に矢印で並べる作業です。この1枚がないまま画面ごとに数えると、同じ項目を別の名前で二重に数えてしまいます。図の書き方は問いません。手書きで十分です。

ツールを選ぶ前に、同じ内容を何回入力しているかを数えます。数え方は次のとおりです。

手順やること書き方の例
11件の案件で発生する入力を全部書き出す受注、請求、入金、報告
2同じ項目が2回以上出てくるものに印を付ける顧客名、金額、日付
3印が付いた項目について、正しい値がどこにあるかを書く「請求書が正しい」など1か所を決める
4決められない項目に別の印を付けるここが最初に直す対象

4番目が重要です。正しい値がどこにあるか決められない項目が、誤りの原因を探せなくなる項目です。ソロンの事例で人間関係の悪化につながっていたのは、この状態にある項目だと考えられます。

記録の形式は業務棚卸し表の作り方に合わせます。どこを1か所にまとめるかを設計する段階に入ったら、SaaS連携で二重入力をなくすで扱っている「正本を1つ決める」考え方が必要になります。

連携の仕組みを作る前に、いま使っているソフトの書き出しと取り込みの機能で足りないかを確かめてください。多くの業務ソフトはCSVでの出力と取り込みを持っており、写し替えが月に数回で済む範囲なら、それだけで入力の重なりは消えます。仕組みを作る費用も、設定を保守する手間もかかりません。毎日何度も写しているなら受け皿の一元化へ進み、月に数回ならCSVのままにしておく、という切り分けです。

この事例が当てはまらない場合

次のどれかに当てはまる場合、この事例をそのまま参考にはできません。

状況理由先に読むもの
二重入力が2か所以内一元化の効果より移行の手間が上回る可能性が高い現状の運用を維持し、記録だけ残す
基幹システムが変更できない受け皿を新設しても正本を移せないブラックボックス化した基幹システムの扱い
入力そのものが少なく、判断業務が中心変える対象が違うAIに向いている業務の見分け方
すでに一元化したが使われていないツールではなく定着の問題AIを入れたのに使われない
入力の起点が取引先の紙・FAXである受け皿を1つにしても、社外から届く1回目の入力は残るAI OCRで最初の入力を減らせるかの検討

5番目に当てはまる場合は、受け皿を1つにする前に読み取りの側を見ます。取引先から紙やFAXで届くなら、社内の画面をいくつまとめても、届いた書類を最初に打ち込む1回は残ったままです。この1回を減らせるかどうかは、書式が決まっているか、量が毎月まとまっているかで変わります。判断の順序はAI-OCRの導入手順で扱っています。

特に4番目は注意が必要です。ソロンの事例には失敗やつまずきの記載がありません。公表される事例は成果が出た後に書かれるため、途中で起きたことは残りにくいという前提で読みます。定着しなかった場合の見方はAIを入れたのに使われないで扱っています。

他社の事例が自社に当てはまるかの判定手順そのものは、中小企業のDX事例は自社に当てはまるかで5社を実際に判定しています。

よくあるご質問

この事例と同じツールを選べばよいですか

同じである必要はない、ということです。出典にはツール名の記載がありますが、なぜそれを選んだかの比較過程は書かれていません。すでに社内で使っているグループウェアや会計ソフトに集約先の機能があれば、まずそれで足りるかを確認します。新しく増やすほど、止めるものを決める作業が増えます。

外部のコンサルティング会社は必要ですか

この事例では支援を受けたと記載されていますが、費用も範囲も書かれていません。判断材料として使えるのは「外部を使った」という事実だけです。使う場合は、設定作業に限定し、何を1か所に集めるかの判断は社内に残します。判断まで外に出すと、後から変更するたびに外部へ依頼が必要になります。

従業員15名でも専任を置くべきですか

専任である必要はありませんが、担当を決めずに全員で進めることは避けます。決める人がいないと、意見が割れたときに止まります。兼務で構いませんので1人を指名し、その人の既存業務を週に何時間分減らすかを同時に決めます。時間を確保しないまま指名すると、通常業務が優先されて進みません。

誤入力を減らすだけなら、確認担当を置くほうが早くないですか

短期的には効果が出ますが、入力回数が減っていないため誤りの発生源は残ったままです。また確認担当を置くと、その人が見落とした場合の責任が集中し、この事例の着手理由と同じ状態になります。確認を増やす前に、入力の回数そのものを減らせないかを検討します。

移行中に古いデータはどうすればよいですか

出典に記載がないため、この事例からは分かりません。一般的には、過去分をすべて移す必要はなく、現在進行中の案件と、参照頻度の高い直近分だけを移す方法が現実的です。古い分は元のソフトを参照専用として残し、いつ廃止するかを日付で決めておきます。

二重入力をなくすのに、いくらから始められますか

受け皿となるサービスの料金だけなら、月1万円から始められます。kintoneのライトコースは1,000円/1ユーザー/月(税抜)で、最低契約が10ユーザーのため、10名なら月10,000円(税抜)が下限です。初期費用は無料で、30日間の無料お試しもあります(2026年9月5日確認)。ただし料金だけでは終わりません。設定と、いま使っているソフトからのデータ移行に手間がかかります。公的な支援制度の補助額の下限が1プロセス以上で5万円以上に置かれているのも、この手間の分が乗ることを前提にしているためだと読めます。

まず会計ソフトの二重入力から直すべきですか

業務の重要度ではなく、正本が決まっていない項目から直します。会計ソフト側の数字は、締めたあとの残高や仕訳が正本として決まっていることが多く、どれが正しいかで迷う場面は少なめです。迷うのは案件の進捗や顧客の状態のように、担当者の手元で更新されている項目です。そこから着手すると、誤りの原因を探す作業が短くなります。どの画面を正本にするかの決め方はSaaS連携で二重入力をなくすの「正本を1つ決める」で扱っています。

AI OCRとデータ連携は、どちらを先に入れるべきですか

入力の起点が社外にあるのか、社内にあるのかで決まります。取引先から届く紙やPDFを打ち込んでいるなら、読み取りの側が先です。社内のソフト間で同じ項目を写し替えているのが中心なら、つなぐ側を先に入れます。両方あるなら、件数の多い側から手を付けてください。判断の順序はAI-OCRの導入手順で扱っています。

今日やること

今日できることは、1件の案件で同じ項目を何回入力しているかを数え、正しい値がどこにあるか決められない項目に印を付けることです。そこが最初に直す対象になります。

判断の材料が足りないと感じた場合は、お問い合わせからご相談いただけます。

ここまでの整理を踏まえて、無料診断で現在の段階を確認できます。

無料診断をはじめる
編集者K

技術確認: 編集者K/ 最終更新: 2026.09.08